〈資料庫〉暴力追従・高知県警ファミレス土下座事件
弱腰警官:暴力酔客言いなり、従業員に土下座させる 高知
毎日新聞 2007年9月22日高知市の飲食店からの通報で駆け付けた高知県警高知南署員が、酔客が従業員に暴行するのを目撃しながら、騒ぎを収拾するため、酔客側が求めるままに従業員に土下座をさせていたことが22日、わかった。同署幹部は24日に店に謝罪する。上村和宏副署長は「不適切な対応だった」としつつ、「暴行した女性が妊婦だったため、(検挙などは)配慮した」と釈明している。
同署などによると、今月18日午前1時過ぎ、男女3人組の客が「注文した物が来ていない」などと皿を割るなどし騒いだ。通報で駆け付けた同署員4人が、任意同行しようとしたところ、客の女が逆上し、女性従業員を平手で殴った。
同署員は客を店外に出すなどしたが、約2時間たっても客が店に土下座を求めるなど事態が収拾しないため、署員が「それで終わりにしましょう」と土下座を促し、店長ら従業員3人は客に土下座。客の1人は酔っており、署員が客の車を運転し自宅まで届けたという。
上村副署長は「今後は店に対し、誠意を持って対応したい」と話している。【近藤諭】
暴力追従
(高知新聞10月20日夕刊「話題」)飲食店に現れた子連れの大人たちは、すでに酔っ払っていたらしい。子供の料理が来ていないと騒ぎ出したのは間もなくで、店員がわびても許さない。「上の者を出せ」。客は皿を割り、通報できた警官四人の目前で女性店員を殴り、別の店員にもつかみかかった。
信じられないのは警官の対応だ、「土下座させよ」と延々ごねる客に根負けしたのか、「店にも落ち度がある」と店員たちに促し、目前で土下座をさせたという。最後は飲酒運転も疑われる客の車で、代行運転よろしく客を自宅に送っている。
暴れた客は、いわば「常連」らしい。別の店でも対応が悪いと怒鳴り散らし、土下座をさせている。ある店では調理場の洗剤が臭いと三時間騒ぎ、従業員におしぼりをぶつけ、飲食代二万五千円は店の申し出で払っていない。
さんざん暴れた翌日なお、「家に謝りに来い」としつこく迫られた店もある。
県警内部からはこうした客の素行を知ってなお、「注文品を出していない店も悪い」「マニュアルに沿ったサービスをしていない」「土下座は指示したわけではなく、客が土下座を求めているがどうしますかと店に確認しただけ」と、逮捕も連行もしなかった身内を正当化するような、報道への不満をぷんぷんとにじませた声が漏れる。南署幹部には、「ノーコメント、本部行って」と追い返された。
警察という職業は苦しかろう。深夜も出勤を待ち、日々直接暴力と向き合わねばならない。どんな状況下でも即座、判断と緊張が強いられる。
ささいなミスを責め正義のごとく土下座を迫る客の所業はどこか、「行政介入暴力」をほうふつとさせる。警察が不作為の追従者とならぬことを願う。
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